・1961(昭和36)年9月30日は、多目的用水事業である「愛知用水の通水式」が、行われた日です。愛知用水は、愛知県の尾張丘陵部から知多半島にかけての一帯に農業用、工業用、上水道用の水を供給する日本最大の用水です。
・大きな河川が無く水不足であった知多半島地域への用水運動が愛知用水誕生の端緒です。1947年に大干ばつを受けて溜池が壊滅し大きな被害を受けました。これにより用水設置を求める運動が起こりました。このうち、木曽川からの引水を計画したのが篤農家の久野庄太郎氏と安城農林高校教諭の浜島辰雄氏でした。翌年には地元有志による「愛知用水期成会」が結成されました。そして国の政策として用水路建設が進められることになりました。
・2002年5月28日には「プロジェクトX~挑戦者たち~」にて愛知用水の建設を取り上げた「命の水暴れ川を制圧せよ~日本最大 愛知用水13年のドラマ~」がNHKテレビで放送されました。
・愛知用水は、岐阜県八百津町から知多半島南端の南知多町に至る112キロメートルの幹線水路と、幹線水路から分岐して農業用の水を導く支線水路1,012キロメートルからなります。愛知用水公団によって1961年に開かれ、現在では独立行政法人水資源機構によって管理されています。
・愛知用水の水源は長野県王滝村と木曽町にまたがる牧尾ダム、長野県木祖村の味噌川ダム、岐阜県恵那市の阿木川ダムの3つです。
・上記3ダムの木曽川水系に属しており、用水路の取水口は木曽川本流に位置します。岐阜県可児市と八百津町にまたがる兼山ダム湖にある兼山取水口です。幹線水路はここから可児市を経て愛知県に入ります。
・愛知県内では、犬山市、小牧市、春日井市、名古屋市守山区、尾張旭市、瀬戸市、長久手市を経て日進市、みよし市、東郷町にまたがる愛知調整池に注がれます。
・愛知調整池から幹線は東郷町を抜けて名古屋市緑区、豊明市に至り、知多半島へ向かいます。知多半島では大府市、東海市を経て知多市の佐布里調整池へ、そこから阿久比町、常滑市、美浜町を縦断して美浜町の美浜調整池に達します。
・愛知用水は美浜調整池で終点ですが、そこから南知多町の海底導水管を通して最終的に日間賀島や佐久島、篠島に送られています。